「前に…困った事があれば連絡していいと…」

「あー、そうだったな」

明るく返事する木下さんに少し気持ちが綻んだ。

「何か困ってんのか?」

「困ってると言えば困ってます…」

チラッと木下さんを見ると先を続けるように私に視線を向けている。

「き…」

「き?」

緊張で言葉が出ないよ!

木下さんに背を向けると大きく深呼吸をした。

「高野?」

「わ…私ッ…木下さんが好きなんですッ!」

木下さんに向き直って目を瞑ったまま一気に言った。



部屋を満たすのは静寂のみ。

身動き出来ない私。
言葉を発さない木下さん。

時計の秒針がやけに大きく響いて心臓のドキドキとシンクロする。

一体、木下さんは今どんな顔をしてるんだろう…。