引き寄せると、俺を見上げる高野と目が合う。

「き…のし…」

その言葉を封印するように唇を重ねた。

俺に身体を預けている高野の手を握ると柔らかく握り返してくる。

歯止めが効かなくてキスが激しさを増す。

「ぅ……ん…」

洩れる高野の声に頭が真っ白で貪るようにキスを繰り返した。

「は…ぁ…きの……ぅん…」

そんな声で俺を煽るな。
マジで止まんないから。




かなりの努力と残り少ない理性を総動員して、ようやく高野を離した。

まともに高野の顔を見れやしない。



「…おやすみなさい…」

「おやすみ…」


正面を向いたままの俺に高野の困惑した様子が伝わる。

立ち去る後ろ姿を見送ってハンドルに突っ伏した。

高野に対する気持ちをだんだん抑えきれなくなってる。

今日だってカレシの前でキスする必要もなく、抱きしめるだけで事は足りたはず。

俺がただ高野に触れたいと思う衝動を我慢出来ないだけだ。

今だって……。