「ずっと一緒にいたいって。傍にいると安心するし、私といてよかったって思ってくれるといいなって思う。でも本当にただ好きで一緒にいるの。…もう、何言わすのよ!」

照れて顔を赤くする倫からは本当にカレシが好きなんだって気持ちが伝わる。

私は遠藤さんをそんな風に思った事ない。

『それって好きじゃないって事?』

木下さんの言葉が頭を過る。

私は遠藤さんを倫のように思えない。
木下さんの言うように好きじゃないんだろう。

「真由子?」

「あ…ごめん。倫って本当にカレシが好きなんだね」

「そんなの当たり前じゃない!好きじゃなかったら付き合わないって!」

好きでもなく、申し込まれたから何となく付き合ってる私に倫の言葉が刺さった。

きっと倫が正しい。

好きだから傍にいたい。

そう思って当たり前。

それがない私には遠藤さんと付き合う資格はないよね…。

「真由子、暗―い」

心配げに私を覗き込む倫に笑顔を見せた。

「倫、ありがと。スッキリした!」

「変なの。意味わかんないよ」

「いーの、いーの」

不思議顔の倫の頭を撫で、バッグから教科書を取り出した。