「木下さん、今日来てくれるそ…」

振り返った私が見たものはベッドにもたれて眠っている木下さん。

一日働いて、その後寝ずに私とずっといてくれたんだもん。
そりゃ寝ちゃうよね…。


「ありがとう。木下さん」

小さくお礼を言い、クッションを持ってきて、そっと横にした木下さんの頭を乗せる。

風邪ひいちゃだめだから、ベッドの掛け布団を木下さんに掛けた。

鍵屋さんが来るまで、まだ時間がある。

小さく欠伸をした私は自分も睡眠を取っていない事を思い出した。

眠い…。



部屋に遠藤さんがいなかった事。
荒れてた部屋が片付いた事。
木下さんがいてくれてる事。


安心した私は襲いくる睡魔に逆らえなくなってきた。

眠りたいけど布団は一つしかない…。

どうしよう?

だんだんぼんやりしてきて何も考えられなくなってきた。

とにかく眠い…。



私は木下さんに掛けた布団を捲って、その横に入った。

二人でこうしてたら暖かくて風邪もひかないよね…。



それ以降プッツリと記憶が途絶えた。