「こんな時間に俺を家に入れるって意味もわかってないじゃん」

遠藤さんは私の隣に身体を寄せて肩を抱き寄せた。

「遠藤さん…?」

「なぁ…。真由子が俺のものだって証拠見せて?」

「証拠って…」

「ヤラセてよ。真由子がいつまでもヤラセてくんねーから俺だって嫉妬焼いちまうんだよ。ヤラセてくれればもうあんなとこ見せねーから」

私の頬にキスをしながら身体をまさぐる遠藤さんの手にゾクッと鳥肌が立った。

「止……めて!」

「何だよ?やっぱ真由子は浮気してんの?」

「違う!そんなのしてない!」

「だったら…もういいだろ!?」

少し苛立った声で私の服に手をかける遠藤さんが怖くて必死でその手を押し止める。

「真由子」

欲情に支配された目が私を睨む。

い…やだッ…!
怖い!

無我夢中で遠藤さんの腕を振り払い部屋を飛び出した。

「真由子!」

追いかけてくる声すらも恐怖の対象でしかなくて必死に逃げる事しか頭になかった。