LAST LOVE -最愛の人-

『拓弥クン、彼女できたんだって』





いつもの明るい理子とは違い、悲しそうな声のトーンに心がヒヤリとしたことは、今でも忘れていない。


『そ、そうなんだ、どこの子?拓弥の大学の子?』

今でも後悔するのは、その瞬間に事実を打ち明けなかったこと。

とぼけたフリをして理子を欺いたこと。







『私、拓弥クンは芽依ちゃんのこと好きなんだとずっと思ってた』

『…え?』

『芽依ちゃんと拓弥クンならお似合いだし、仕方ないなぁって諦めてた』

『そんなこと…あるわけ無いじゃん。拓弥とはただの友達だし…』

『なんで?なんで芽依ちゃんじゃ無いのかな…』

『……理子…泣かないで…?』

『自分勝手だって分かってる…でも、私の知らない子が拓弥クンの彼女になるの…やだよ…』






震える理子の身体を抱きしめた芽依の心も震えていた。





***





「ねぇ拓弥」

拓弥はコトが終わるとすぐに眠りに落ちてしまうタイプで、芽依はいつもそれを不満に思っていた。

今日は簡単には眠らせまいとばかりに芽依は拓弥の肩を揺らす。

「何?」

「理子のこと、どう思う?」

「ん?芽依の親友」

「いや、そうじゃなくて…好きとか嫌いとか…」

「芽依の親友は俺だって大事だし好きだよ」

「私は抜きで考えて!」

「はぁ…?とりあえず10分だけ寝かせて?」

「ヤダ」

「分かった。10分休んだら、も一回シよ?」

「違うー!」

「違わないでしょ。そんなに胸ぐいぐい押し付けて」

拓弥がすかさず反撃に出る。
シーツ越しに胸の敏感な部分に指を這わせてきて

「…っ!やだ!」

脇を固く閉じて身を護ろうとするも、拓弥の両腕で芽依の細腕は容易く抑えつけられてしまう。

「芽依、嫌がるのとか俺すげぇ興奮するから。反則」