「まったく…なんなのよいきなり…」
芽依は鏡に映る顔を眺めた。
怒ったせいか頬が紅潮している。
照れているせいでは、決して無い―――自分に言い聞かせた。
リップを塗って、ボブの髪の毛を弄った。
『お前、短いほうが可愛くない?』
ずっと伸ばしていた髪を切った時、泰希に言われた一言を思い出す。
『…あ!ブサイク最低ラインの中での比較だからな!お前勘違いすんなよ!』
「…するワケ無いじゃん、バーカ」
頬が紅潮するのは走ってきたせいだ
芽依は再び自分に言い聞かせる。
***
―――時は10月、秋。
「…はーい、次混合リレーの出場者決めます!」
委員長がHRを進行する。
クラスから男女4人ずつでチームを作る、混合リレー。
「早い奴4人でいいじゃん。アンカーは島井だろー」
「…あ?」
会の進行に興味が無いのか、週刊誌を見ていた泰希の眉が動く。
「賛成のひとー」
「「「はーい」」」
迷わず委員長が決議に入ると、過半数以上の手が挙がり、否応なく泰希の選出が決定される。
「チッ……オレ、パン食い狙ってたのに…」
隣でぶつくさ言いながら週刊誌を弄んでいる泰希に『ざまぁみろ』と芽依は口パクで伝える。
それを見て泰希は、芽依を睨むとすぐさま笑顔で前に向き直り
「委員長、女バレのエース、結城さんもスターターで出場したいそうです」
「……はぁ!?」
泰希はにっこり笑んで『ざまぁみろ』と口パクを返す。
「女子で速い方だし、いいんじゃないかな。賛成のひとー」
「「「はぁい」」」
多数決の結果は覆せない。
「あと、推薦の人誰かいます?」
そのまま会は進行し、結局短距離のタイムが早い8人が選出されたのは言うまでも無い。
芽依は鏡に映る顔を眺めた。
怒ったせいか頬が紅潮している。
照れているせいでは、決して無い―――自分に言い聞かせた。
リップを塗って、ボブの髪の毛を弄った。
『お前、短いほうが可愛くない?』
ずっと伸ばしていた髪を切った時、泰希に言われた一言を思い出す。
『…あ!ブサイク最低ラインの中での比較だからな!お前勘違いすんなよ!』
「…するワケ無いじゃん、バーカ」
頬が紅潮するのは走ってきたせいだ
芽依は再び自分に言い聞かせる。
***
―――時は10月、秋。
「…はーい、次混合リレーの出場者決めます!」
委員長がHRを進行する。
クラスから男女4人ずつでチームを作る、混合リレー。
「早い奴4人でいいじゃん。アンカーは島井だろー」
「…あ?」
会の進行に興味が無いのか、週刊誌を見ていた泰希の眉が動く。
「賛成のひとー」
「「「はーい」」」
迷わず委員長が決議に入ると、過半数以上の手が挙がり、否応なく泰希の選出が決定される。
「チッ……オレ、パン食い狙ってたのに…」
隣でぶつくさ言いながら週刊誌を弄んでいる泰希に『ざまぁみろ』と芽依は口パクで伝える。
それを見て泰希は、芽依を睨むとすぐさま笑顔で前に向き直り
「委員長、女バレのエース、結城さんもスターターで出場したいそうです」
「……はぁ!?」
泰希はにっこり笑んで『ざまぁみろ』と口パクを返す。
「女子で速い方だし、いいんじゃないかな。賛成のひとー」
「「「はぁい」」」
多数決の結果は覆せない。
「あと、推薦の人誰かいます?」
そのまま会は進行し、結局短距離のタイムが早い8人が選出されたのは言うまでも無い。
