サアアァァァ… 、
ベッドのカーテンの隙間から、心地好い風が髪を撫でる。
私は、彼の背中に腕を回してギュッとカッターシャツを握った。
今だけは甘えさしてもらおう。
その後は、きっと…今までの私に戻れるから。
今まで我慢していた分、
彼の胸の中で思いっ切り泣いた。
その間、彼に一定のリズムでトン トン、と叩かれる背中はすごく安心した。
しばらく経って、私は彼から離れた。
「ありがとう…ございました」
「いーえ、どういたしまして」
そう言って彼はフッと微笑んだ。
…そういえば、この人の名前知らない。
「ん?」
私は彼の顔を見つめてしまっていたのか、彼はこちらを向いた。
この人の瞳、綺麗だな…それに、顔も整ってるし。
…って、違う違う!
「えっと…、名前…」
そこまで言った私に、彼は目を見開いた。
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