浮気彼氏との約束




分かった!と駿に返事した後、ファミレスを飛び出した。



…げっ、5分ロス。

私は家へと全力疾走した。







「…ハァ…ッ…ただ…いまっ…!」

ガチャン、と重たいドアを開けて中に入る。



息を整えて階段を上がり、部屋の前まできた瞬間、突然部屋のドアが開く。





「…入らねーの?」

目の前には不機嫌な悠が立っていた。



「え…、あ…お邪魔します…」


「ハハッ、お前の部屋だろーが」


「……そうでした…アハハ…」








……………雰囲気悪っ!

どうしたらいいのか、私が座って黙っていると、悠が口を開いた。








「…駿と付き合ってんの?」


「……え?」

こんなこと言われるなんて、思わなかった。














「俺はお前の、…何なわけ?」







――――――答えられなかった。


悠の彼女なんていっぱい居るかもしれない。

私はそのうちの1人かもしれない。


“彼氏”だなんて、私が勝手に思い込んでたのかもしれない。




「…あっそ。もういいわ」

そう言って部屋を出て行こうとする悠に腹がたった。



散々振り回しといて、散々悩ましとおいて。



たった一言でこんなに呆気なく終わっちゃうの?


















「じゃあっ…!…私は悠の、…何なの?」


こっちを振り返った悠の眉間にはシワがよっている。




…………怖い…、怖いよ。


言ってしまったことを後悔している、私の前で悠は立ち止まった。





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