決してレベルが低い場所ではない。
どちらかと言えば中級者から上級者に向けてのワールドだ。
そこでのモンスターを一瞬で消し去る…。

高レベルプレイヤーとしか考えられなかった。
あれはバグ技などではない。
「…。ドンクレ…?」
久しぶりにあんな化け物を見た。

どうしたらあれだけのスキルを放つ事ができる?
どうしたらあんな動きができる?
どうしたら…。
「ドンクレ…?」
くそっ!
「ドンクレ?大丈夫?」

顔を覗き込まれ、自分の世界に籠もっていたことに気付く。
「いける?大丈夫なら…追いかけてみない?」
そういって自分の手を取った。「面白そうじゃん?」


促されるまま、その導く方へ足を進める。
「何者だろうね。
 ねぇ…ちょっとだけ、ね。」
ゆっくり歩き出す。
あの時の様に…。
「大丈夫!オレがついてるからっ!」
なるべくこの場を明るく取り繕うように笑う。

太陽のように笑う。
眩しい。
やめてくれ。