微笑んだ顔は優しく、妖艶的だった。
でもそれ以上に暗い影のような不思議なオーラも放っていた。
「何、1人で遊んでるの?」
「用事あるから忙しいって言ったじゃん。」
「だってすぐ用事終わったから。
 だから…尾行しちゃった。」
「恐いよ。」
「平気。」


彼はオレを気に入ってくれているようで、よく一緒に冒険に出ていた。
オレを観察してると何かと面白いそうだ。

本当かな…?
特に何もしてないし、普通に生活してるだけだけど…?

まぁ、いいか。
人に好かれるのは嫌な事じゃない。寧ろ喜ばしい分類に入る。


ポリポリと頭を掻く。
「んで、どうしたの?」
オレは君に聞く。
色んな意味でどうしたの?だ。
「だから、別に。
 分かったなら忍、行こう。」
相変わらず強引だなぁ…。

君はオレの目の前を音もなく進む。