自分達の足音しかしない。
肌寒い。
太陽の光なんて1ミリも感じない。

「向こうの方だね。急ごっ!」
剣を握り直す君。
腰のベルトが揺れている。
自分はただついて行く。

「ドンクレの活躍は今日もないと思っていいよ。」

暗い石畳の通路。
キラキラ輝く金髪。
眩しい笑顔。


気付けば仕掛け部屋の中に巨大な魔物が横たわっている。
「さぁ、行こぉ?ほらほらぁ!」
自分の手を引く君。
「後はこの下だね。」
少しだけ君は背が高い。
「ほら、もっと笑って!」
全体的に赤い装飾品がアクセントになっていて、綺麗だった。


知らないメロディーの鼻歌。
「これ、失恋の歌だよ。」
寂しい曲調。
「でも好きなんスよね。いいよね?」
切ない後ろ姿。


揺れる自分の髪を触る君。
「ホント、綺麗な色だよね。羨ましいっ!」
君の髪の色の方が美しい。
キラキラと輝き、まるで光だ。

そうだな…君が太陽なら、自分は夜を司ろう。
「暗い所じゃもったいないね。」
君の暗くて闇の部分を背負う。
「さぁ、また地下に潜るよ!」
汚い事も、全て…。

そう、自分は暗闇だ。