懐かしく、愛しく、嫌な夢をみた。
幻歌が、まだ人だった頃の夢。
「○○!」
頭の中で大好きだった人が私の名前を呼ぶ。
「なに?○○くん」
記憶に奥にいる、『彼女』が応える。
私じゃない。
『彼女』は人だから。
私は詠い人だから。
だから、いくら好きな人でも、私は応えられない。
応えることができない。
言いたい言葉が、そこまで、出かかっているのに。