「じゃ、また明日ね」


「うん」



帰り道、別れ道に差し掛かる。


いつも、あたしは右に

舞結は左の道に進む。



今日もいつものように

手を振って別れる。



別れるときは、いつも寂しい。


急に独りになる感覚がするの。




「……また、明日」



明日 絶対会いたい。


別れた瞬間、そう思う。




舞結は

寂しいオーラを
出しているあたしに気付き




「また、明日。」



“明日”を強調して微笑んだ。


やっぱり

舞結には適わない。



あたしも笑顔になって


気持ちよく別れた。





「ただいま」


「おかえり〜」



家に着くと、お母さんが

キッチンにいた。


甘いイイ匂い。




「……ぁ、クッキー?」


「そう、もうすぐ裕貴の誕生日だから。
練習してるのよ」



お母さんは、綺麗に微笑んで

あたしに一枚くれた。



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