「……じゃ、おまじないしてあげる」
「おまじない?」
首を傾げるあたし。
それを見て、また微笑む朱里。
舞結は、あたしを置いて
先に帰ってしまった。
「……うん、早く治る魔法。
目、瞑ってて?」
「……ん」
言われた通り
目を閉じる。
二人きりの空間に
不思議な空気が流れる。
「………」
ドキドキする…
ビクッ
朱里の手が、頬に触れる。
「……っ…」
頬に、温かく
柔らかい感触。
目を開けると
朱里の顔が、あたしの視界を支配していた。
「……ね?
治りそうでしょ?」
「………////」
ニコッと笑う朱里。
恥ずかしいっ…!!!!
「この前のキスのやり直し」
「……あ…」
そう言えば
資料室でもされたんだっけ。
.