「……ふぅ…」
階段を降りたところに下駄箱はある。
靴に履き替えて待つことにした。
「早く来ないかな」
そんなことを言っていたときだった。
「……ぁ、あの…」
「…?」
後ろから呼ばれて振り向くと
小さくて可愛い女の子がいた。
上履きの色と、リボンの色が青色だから、あたしと同じ一年生だ。
「……ちょっと、いいですか?」
その子は、上目遣いをして
あたしに言った。
……なんだろう…
あたしは、頷いた。
「…船橋さん……だよね。
船橋、李呼ちゃん」
「ぁ…はい…」
その子は、あたしに
鋭い視線を向けてきた。
「…………あっくんは…
朱里は、あたしのだから
取らないでください。」
「………ぇ…?」
あたしのだから ……?
二人は…
「付き合ってるの?」
「……はい」
「………そっか。」
目の前が
一瞬だけ真っ暗になった。
でも、あたしには関係ない。
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