それだけ囁いて


先に教室を出ていく朱里。




「……ぇ、ふぁ…」





朱里の甘い声で


こ、腰抜けた……




「……ぅう…バカーーっ!!!!」





こんなにこんなにムカつくのに


なんで



こんなにこんなに


大好きなんだろ……





なんとか立ち上がり

朱里を追い掛けた。




「朱里っ!!!」




無条件に、差し出してくれる手に


あたしは

すごく嬉しく感じてるよ?




……朱里


朱里…



大好き。






あたしの手を包み込む


朱里の大きな手を



ギュッと握り返した。







*end*



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