「水橋も疲れるんだね」



フフフ、と

変な笑い声が出てしまう。



なんか

今朝の印象と全然違う。



今日だけで

色んな水橋を見ちゃったかも。




「ねぇ、水橋さぁ……」


「なぁ、その『水橋』って
やめてくんねぇ?」


「ふぇ……」




私の言葉を遮って

何を言うかと思えば……



ちょっと恥ずかしそうに

でも、真剣な顔で言われた。


……呼び方、ですか…




「俺だって『李呼』なのに」



拗ねたように、前髪を
いじりながら言った水橋は


なんか、幼い子供みたいで…



綺麗 とか クール とかよりも




“可愛い”



そんな言葉がピッタリな

雰囲気を出していた。




「……可愛い…」



ぽろっと、本音が……




「………は…?」



あたしが言った瞬間


水橋の肩が揺れた。




「可愛い………?」


「っあ……」




顔から血の気が
引いていくのがわかる。



水橋は、あたしを


とっても鋭く冷たい視線で

睨んでいた。


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