咲と亮


「うわビショビショ」

落ちてきた咲の髪を手でほぐす。

シャワーでも浴びたのかという位に濡れた、咲の真っ黒な髪は、けっこう長いのにツヤツヤしていて、

咲の髪に触るのが最近、気に入ってる。


「部活がんばったんだよ。努力の賜物だよ」

そう言ってフフンと笑うが、くすぐったそうだ。

しかし嫌がらないから別に触っていいんだ、と思う。いつも。


気の済むまで髪を梳いて、
「咲、こっち向いて」
「んー」

「………」

うん。いいな。

「咲、その髪型いいよな」
「うひゃー、亮それ8回目だよ」
「いいだろ。似合ってる。可愛いぞソレ」
「何回言うんだよホント」