「な、に?」
「まだ私たちは高校3年間あるうちの、1年生の6月までしか済んでないのよ」
「うん?」
「高校卒業したって、死ぬまでには大体40年以上あるわ」
「…う、ん」



俺には林が何が言いたいか分からなくて、

これが流川だったら言いたいことがもう分かってるのだろうか、

と考えたら情けない声が出た。

それを聞いて林はクスリと笑い、

「あのね、とにかくまだまだ時間はたくさんあるの」
「…」
「私がノブのことをスキっていう風にさせたいなら、私に使う時間はたくさんあるの。もっと使いなさいよ。私、咲のこと大好きだけどそれは小3からの付き合いがあってこそなの」
「…は、はやし」


俺のことを好きにさせることを、あきらめないで、ってこと…?

望みがある、と考えていいんだろうかコレは。


いかん。顔は熱いし、口はなんだかニヤッとしてる気がする。