「まぁ、ええわ。それよりお嬢ちゃん、ケガはどうなん?」
「あぁ、ちょっと体中が痛ぇけど、今日1日休んだらなんとかなんだろ?」
と言ったところであたしはまたあることを思い出した。
「そういえば、ライオス。その……翼のことなんだけど…」
チラッとライオスの背中を見たが今は黒い翼はどこにもない。
あたしは確かにライオスの胸にあった赤い石を壊したはず。
もう死神じゃなくなったんじゃないのか?
「あんたが言いたいのはよう分かる」
ライオスはそう言いながらベッドの傍らにあった椅子に腰を下ろす。
「そりゃあんたは俺の中にあった石を壊してくれた。
けど、その石はただ"俺の体を操ってた"に過ぎん。
つまり、俺は人間でもなければ、死神でもない。見知らぬ人間に体を改造された"化け物"になってもうたってことや」
.


