「なんでそう思うんだ?」
そう聞くとフィリアは空色になった目に手を軽く添えた。
「こうすると感じるの。シーラの小さな温かさを…
だから私は、これが最期にシーラが残してくれた形見なんだと思ったの」
あなたにはわからないかもだけど、と言葉を付け足すと、フィリアは優しく微笑んだ。
「……そうか。」
それはきっと双子でしか分からないことなんだろう。
それだったらあたしがとやかく言う権利はない。
「で、コイツらどうすんだよ?親父の所に連れて行くのか?」
頭の後ろで腕を組み、気だるそうにレイに尋ねたノエル。
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