「…ぅわあ」


声にならないとはまさにこのことだと思った


飛行機から降りると、沖縄独特の暖かい風が私達を迎えた


初めて来たのに、なんだか懐かしい感じがする


不思議な空間だ



「7組の皆さん~!点呼とりますよ~!」


福井先生の声にみんながぞろぞろとついていく



普段は静かな男子も、やっぱりテンションが高い人が多い


「絶対にオレが告るから!」


「オレが先だしっ!」


普段見れない表情とかしてて、なんだか楽しい


私は思わず笑ってしまった



「…うわっ!」


「…へ?」



なぜか男子達は私の顔を見るなり、びっくりした様子で会話を中断した


「あ、ごめんね。笑ったりなんかして…」


「いいいや…、あ、あの…さっきの話…聞こえてた?」


何を話してるのかは聞きとれなかったから、私は首を横に振った



「そ、そっか…」


「お前が声でけぇんだよ!吉岡さんに聞こえてたら意味ないだろ!」


「わかってるよ!」



私を置いて、男子の会話は進む


…一体なんの話やら



「ほら、吉岡さんがラストですよ!」


後ろから来た先生に軽くお尻を叩かれた


びっくりして周りを見回したが、幸い誰もいなかった



「先生っ!」


「お前がちんたらしてるのが悪いんだって。…なんならもっと」


「バカっ!変態!」



私は先生の背中をバシンと叩き、みんなの元へ走ったのだった