ーーーーコンコン

社長室をノックした。


あぁ~緊張してきた。


「どうぞ。」


「失礼します。」


扉を開けて、中に入り一礼した。

顔を上げて挨拶をしようとした時


手に持っていたモノを全て落としてしまった。


だって……目の前にいる整った綺麗な顔の人物を忘れるはずがなかった。


「ぇ……」


相手も驚きながら私を見つめた。


ま…さか………

社長って………音弥のことだったの?


「菜月さん?」


中にいた秘書課の先輩、佐野(サノ)さんに声をかけられハッとした。


「ぁっ……」


私は急いで落としたモノを拾い上げた。