パステルカラー




「ただいま〜。」



「あら、愛花おかえり。」



私にはお父さんはいない。
私が小さい時に
お母さんを置いて出ていったらしい。



「お母さん。明日友達とお昼から遊ぶから夜ごはん食べてくるね。」



「そう。わかったわ。」



だから私はお母さんを
大切にしたい。
大好きなお母さんだから。



「一緒に食べれなくてごめんね」



「大丈夫よ。楽しんでらっしゃい」


「うん。ありがとう。」



私は自分の部屋へと上がり
制服を脱ぎ、部屋着に着替えた。



(学校疲れた。)



ゴロンっ。



ベッドへと転がり
ふと美香と慧くんが
頭に浮かんだ。



(美香と慧くん仲良かったな。慧くんと一緒にいる時の美香はいつも以上に輝いてたし。)



私は天井をボーっ眺め
一言呟いていた。



「恋したいな・・・」