Spirit of Dragon~断罪の炎編~

言うな否や、モンスターの群れの中で一番動きの素早いコボルトが一斉にニイナに向かって襲いかかった。
 
 
後ろに身を引きながら呪文を唱えると、両手を前に突き出して、
 
 
「『クーラシェイカー』!』
 
 
攻撃範囲内だった三体のコボルトが無数の刃と化した風に粉微塵に切り刻まれるのを確認すると一目散に俺のとこに走ってきた。
 
 
肩で息をするニイナは俺を睨んでいる。
 
 
「ちょっとは手伝いなさいよ!!」
 
「コボルトくらいいけんだろ?」
 
「そーゆー問題じゃなくて!!全員あたし狙いじゃない」
 
「スキュラとデノホーンはおいといて、コボルトは人間のメスと生殖行為を求めたがるからねぇ。男の本能ってやつだろ」
 
 
ぽこす!
 
 
頭を殴られた。
 
 
「知ってたんならなおさら助けにきなさいよ」
 
 
ご、ごもっとも。
 
 
残りの四体が今度は俺を敵と見なしたのか襲い掛かってきた。は~面倒くさい。
 
 
「離れてろ」
 
 
その言葉に小さく頷くと、ニイナは俺の後ろに距離をとった。
 
 
木の棍棒を持ったコボルト達は二手にわかれ、地上と空中から襲ってくる。
 
 
あー、前の取り消し。知性も知恵もあったもんじゃねぇ。
 
 
こいつらアホだ。柄を両手で握りしめ頭上で構えた。
 
 
雄叫びを挙げて突っ込んでくるアホ達が一直線上に並んだ時――狙い済ました一撃が、コボルト達をいとも簡単に両断した!