風見の友達2人は何やら目線で合図をとっているが、よくわからない。




「先に帰ってるね!」



そう言って友達は帰っていった。




「ちょ、待っ…」




風見の言うことに耳を傾けず、笑顔で手を振りながら去っていった。






…おかげで2人きり。




マジでやばいんだけど。





まさか自分が、女相手にこんな緊張するなんて…。






「へぇ…ずいぶん気の利く友達だな」




「気の利くって…別に気なんて遣わなくていいのに」




まだ友達が帰っていったほうを向いたまま、何気なく風見が言ったその言葉に、ズキンと胸が痛んだ。






わかってるはずなのに…




風見が俺のこと、なんとも思っていないことくらい。