「それとね…」



朝から心の隅で、ずっと学のことを考えていた。



牧山くんしかいなかった私の心に、学はそっと入ってきたんだ。



牧山くんのことしか考えられなかったはずなのに…。


「それと…何?」



「ううん、何でもないっ」


そう言って私は、鞄を取り走り出す。



そんな私を追いかけてくる学。



「なんだよ〜教えろよ!」





……学のことが少しだけ気になっている、なんてまだ言わなくてもいいよね?




《END》