だから昨日、牧山くんが他の女と話してても笑顔だったの?



だからいつも、牧山くんと一緒にいたの?



だから今、あたしを見上げる牧山くんの顔は無表情なの?



だから今、あたしが告白しようとしてるってばれてるのに、驚かないの?




「な…んだ、そうなんだ…」



胸が潰れそうな想いに耐えられなくなったあたしは、その場から走り去った。




「胡桃!!」



冴子の声が、あたしを呼んだ。



冴子は駆け寄ってきて、あたしをギュッと抱きしめた。



「泣いていいんだよ、無理しなくていいんだよ…」



あたしの横で、由梨がそう言った。