奥手な私と奥手な君

「雅美ちゃん、具合でも悪いの??」



大爆笑するみんなと対照的に一人自分事の様に心配してくれる
まっ君



きゅん




と、する私の胸



「確かに雅美は今病気だよねぇ」


「え??」


「まっ君から恋の病移されちゃったものね」



ニヤニヤしながらヒロミが言う



「ちょっと!!なんでそうなるのよー!!」



ばか!!ヒロミのばか!!
タンスの角に小指ぶつけちゃえ!!

何て思って両手で顔を覆うと









「雅美ちゃん…あの、」



私と同じくらい真っ赤な君の顔





(わっ…、まっ君耳まで真っ赤だ)


「雅美ちゃん…」



そんな恥ずかしそうな甘い声で名前呼ばないで



私、この生まれてきた気持ちの対処法なんてわかんないよ



苦しいのにすごく心地良いの





「私たち邪魔みたいだから退散するね」


ユイとヒロミ、安部さんまでもが席を立とうとしている




「まっ…待ってよう!!な、なに!!?みんな帰るの!!?」


「ちょっ…べっち!!!これから沖垣の家行くんじゃなかった!?」


戸惑う私とまっ君





「え~??友人の恋路を邪魔するほど野暮じゃないっすよ」

はははっとヘラヘラ笑う安部さん

ねぇ~、とニヤニヤ頷くヒロミ

うふふ、と上品な笑顔で手を降るユイ



みんな私とまっ君を二人きりにする気満々だ