奥手な私と奥手な君


時刻は午後10時




メールを送ったのは1時間ほど前







岡山さんからの返事はまだこない




伊場君からのメールはその間一方的に3通もきている



その度に私は携帯が震えるたびにドキドキしてはガックリ…を繰り返している








返事が遅すぎて嫌われてしまったのだろうか

変な文章で呆れられてしまったのだろうか








嫌なことばかりが頭をよぎる




すると



ブー…ブー…




携帯のバイブ音が静かな部屋に響いた






「あっ!!」




ディスプレイには「岡山さん」の表示











私はドキドキしながらメールボックスを開く







『こっちも返事遅いから気にしないでください^^ 女の子とメールなんてしたことないから…。メールの内容とか文章めちゃくちゃ考えてたりする; 俺、ださくてごめん;』






私と同じようなこと考えてメールを送ってくれてる彼

それが何だかすごく嬉しくて携帯画面に私のゆるんだ顔が映った




打ち明けるの恥ずかしかっただろうな





私も正直に悩んでいたことを、また悩みながらメールを作成した






『ごめんなさい。実は私も男の子とメールなんてしたことあまりなくて、すごくいっぱい悩みながらメール打ってたりします(>ω<、) 岡山さんと同じです!岡山さんはださくないですよ!! 』






似た者同士の私と彼




でも、次にきたメールは10分後だった




その内容には




『岡山さん、じゃなくていいよ。みんなみたく「まっ君」でいいんだよ?笑 俺は…どう呼べばいいかな?』




ちょっとだけ



ほんのちょっとだけ





『雅美でいいです…!まっ君さん』





彼に近づいた気がした