奥手な私と奥手な君

だって




ヒロミが言ってたこと






本当だし









いつもは叩き返すように違う違う言うけれど







今回のは
本当の本当に嬉しかったし






私の気持ちに嘘はないし










何よりも









この日だけの関係ではなくなる
という事実がとても嬉しかった









伊場君はどうでもいいけど







「あの、何かごめんね??周りがこんな感じで無理矢理みたいなさ」


初めて彼から話しかけられた!!



「あっ、いっ…いいの!!私、あなたともっと色々お話してみたいなって考えてたからっ…!!」









と、言った途端に真っ赤になった彼






「雅美、あんたどうしたの!!今日は過去最高に大胆だね~」



ヒロミがびっくりしながら私の頭を撫でた



「俺には言ってくれなかったのに~ 」



唇をとがらせた伊場君が安部さんの腕を小学生のように揺さぶっている





そんな伊場君を無視して安部さんが彼に親指を立てた





なに…??なにがおこってるの??




私、何か言ったかな??









「あの、俺っ…メールとか苦手で、返事頑張って早めに返すようにするから」




見た目からは想像もつかないような
優しい彼の言葉







私の胸はきゅんきゅん締め上げられる一方だ