えがおのしずく。

「未来ちゃん…?」


あたしの名前を呼ぶ声…

優しい声…

この声は多岐君じゃない…


「雪先生…ユキが…ユキが…」


やっと言えた言葉がそれだけだった。

あとは何も言うことができない…


「未来ちゃん、今家?すぐ行くからそこで待ってて。」


何も言わずに泣いているあたしに雪先生が最後に言った。


「大丈夫。すぐ行くから。」


そう言って電話が切れた。