するとユキが綱を引っ張った。

まるで「頑張れ、大丈夫。」と、言っているみたいだった。

あたしは自分の頬をつまむ。


「何考えてんだ…そうだ、あたしには恵美ちゃんがいたじゃん。仲直りしてからの2年間の思い出はすごく楽しかった。それに雪先生も…楽しい思い出が嫌な思い出に負けてどうする…」


あたしは足を動かす。


「大丈夫、今のあたしは弱くない。この子犬のために飼い主を探さなきゃ。」


そうしてあたしは中学校へ入って行った。