家に帰り「遅かったわね」と聞く母に腕の怪我の事を聞かれたけど


「ちょっと転んだだけ」


だけ言って、自分の部屋に向かった。

机の上に鞄を置いて、握ったままの携帯を見つめて


ベッドの上に仰向けになった身を沈めた。



“諦めないから”と言った時の先輩、真剣だったな。



なんだか色んな事があってボーとする頭のまま携帯を見つめていると



突然、着信音が鳴り響いてビックリして携帯を「うわっ!?」と床に落とした。


なんで!?なんで携帯が鳴るの!?

あたしの携帯の番号知ってるのって、親だけ。

その親がいる家にいるのに、親がかけてくるはずはないし。

まだ鳴り響く着信音にビクつきながら

ゆっくりと小さな液晶画面を覗いてみたら


【高村雄大だよ♪】


の文字が浮かび上がっていた。


な、なんで!?