美紀との電話を切ったあと
あたしは、机の上にノートを広げて、思い浮かんだ言葉を一気に書いた。
それは、いじめに遭っていた頃の辛い想いや、どうしようもなかった時の想いに
美紀と雄大達に出会ってから感じた沢山の想い達。
悩んで、躓いて…生きてる意味や、誰かを信じる想いや、信じられない想い。
恋をして、苦しくて…もどかしい想い。
素直になれなかった自分に、素直になれた自分。
あたしという、ちっぽけな1人の中に、色んな想いが存在していて
時に苦しくて、時に悲しくて、1人では抱えきれない時もあるけど
誰かと出会い、誰かと気持ちを分け合い共有する事もできる。
どんな想い出も全部、大切な想い出。なんだよね。
あたしが経験し、感じた想いを、少しでもいい。
誰か1人でもいいから、その人の心の中に届ける事ができたらいいな。
そんな願いを込めながらーーーーーーーーーーーー「できたぁ!!」あたしは一曲の歌詞を書き上げた。
「ふぅ…疲れたぁ…」とベッドにポスンとなだれ込んで、窓に視線を移したら
カーテンの隙間から満月が優しい光を帯びながらニッコリと微笑んでいるように見えた。
明日、いい天気になりそうだ。