帰り道、海から離れてすぐの分かれ道で、帰り道が違うヨッシーとシュンと別れた後、雄大と2人並んで歩いた。
あたしが乗ってきた自転車は、雄大が引いてくれている。
「ありがとう」
「なにが?」
「自転車…」
「あぁ、いいって」
なんだか会話が続かない。ヨッシー達といた時は、普通に話せていたのに
2人になった途端、何を話していいか言葉が思いつかないや。
しばらくの間、何も話さないまま、ザワザワと風に揺られる木々の葉の音と、遠くなる波の音を聞きながら歩いていると
少し前を歩いていた雄大が急に、立ち止まった。
どうしたのかなと想い、あたしも足を止めて雄大を見ると
振り返った雄大が
「あのさ…俺、お前に話したい事があるんだ」
真剣な眼差しで、見つめられた。