「智樺…」


もう大丈夫だからと、砂浜に腰を下ろすと

「あんま心配かけるなよ」

あたしの頭をポンと撫でた。

「ごめん…なさい…」


「いいって、無事で良かったよ。ほら、ヨッシー達が心配するから戻るぞ」



立ち上がり、あたしの手を握って立ち上がらせようとする雄大。



だけど、あたしはそのまま動こうとしなかった。

助けてくれたのは嬉しいし、ありがとうって思ってる。

けど…シュンの事を言われて逃げる様に去ったのに。

何もなかった顔で雄大と一緒にいれないよ。


「智樺?」



不思議に思った雄大は、もう一度砂浜に腰を下ろすと、あたしの顔を覗き込んだ。



「どうしたんだよ?智樺?さっきから変だぞ?急にいなくなるし…」



「だって、雄大があんな事いうから…」



「あんな事?」



あっ、思わず思った事を言ってしまった…。