「えっ?おい!!智樺!?」
雄大が、あたしを呼ぶ声が聞こえてきたけど
あたしはそのまま、雄大を無視して歩き続けた。
周りには、楽しそうにハシャいでる人達の声が溢れているのに。
空を見上げれば、眩しいぐらいに輝く空があるのに。
あたしは、全ての眩しいものから逃げるように下を俯いたまま
足にまとわりつく砂粒をボーっと見つめた。
「なんか…もうヤダ…」
悲しくて、苦しくて…。Tシャツの胸元をギュッと掴んでただ歩き続けた。
その時だった。
「ねぇ」
突然、どこからか声が聞こえてきたかと思えば
「ねぇって、ちょっと待ってよ?」
右腕を掴まれた。

