放課後。あたしは、まるで何かから逃れるように屋上に来ていた。

何から逃れているのか分からない。


それは今もなお、あたしの心を苦しめる

いじめという名のしがらみなのか…。

過去に出来た傷跡を消せないでいる自分の心の弱さなのか…。


正直…仲本美紀から「一緒に帰ろう」って言われた時

あたし…心の奥のどこかで嬉しさを感じてた…。



今まで、1人でも平気って思ってたのに。


彼女の一言で、あたしの心は揺れたのは確かだった。


だからって…やっぱり仲良くなる事はできない。


彼女も…きっといつかあたしから離れていく。


あたしがいじめられて去っていった友達みたいに。


彼女もきっと…去っていく。


叶わぬ願いは…もうやめたんだ…。



あたしを絶対に裏切らない友達なんて…いるはずがないよ…。