すると、そこには雄大とヨッシーの姿はなくて


シュンがダルそうな顔で、花火の絵が描いてある団扇でパタパタと仰いでいた。



「シュン1人なんだ」


シュンから少し距離を置いてビニールシートの上に座ると


「あぁ、雄大達はあそこ。もう海の中でハシャギ回ってるよ」



ガキだよなぁと、クスッと含み笑いを浮かべてるシュン。

そんなシュンと一緒にボーっと、暫くの間夏色に染まった海と空を眺めていた。


「スッカリ夏だねぇ」

「そうだなぁ…」

「あっ、そうだ。思い出した。実は美紀も誘ったんだけど、今、家族旅行に行ってるみたいでさ。断られちゃった」


ごめんねと言うと「別に、謝んなくてもいいし。家族旅行じゃ…仕方ないじゃん。それに…今度誘ってみようと思ってるんだ」


「なに!?もしかしてデート!?」と聞くと、頬を赤くして頷くシュンが、なんだか純情少年に見えて。


「頑張れよ」と、シュンの肩をポンと押した瞬間、シュンがスルリと交わして、そのせいで、バランスを崩したあたしはそのまま



「うわっ!?」



シュンの上に重なるように倒れてしまった。