「智樺…」 「言わないで…絶対に。言わないで…」 上を向いたまま言ったあたしの腕からゆっくりと手を放すとシュンは、あたしの頭をポンと撫でて 「分かったから…泣くなよ」と、そのまま自分に胸にあたしの頭をコツンとぶつけるようにして言った。 「ごめん…だからもう泣くな…」 シュンのシャツをギュッと掴んで、俯きこらえきることがなくなった涙をこぼしながら 「泣いてないもん」と呟いた声は、地面に落ちた涙と共に、吹いてきた夜風の中に消えていった。