「なによ、それ?もう、どうでもいいって?」
「どうでもいいって言ったら、どうでもいいの。過去の事は、もう忘れた。だから、高津さんも忘れて」
ニカッと笑うと「ふざけないでよ!?」と高津洋子の怒りが爆発した。
「別に、ふざけないでよ。あたしさ、変わったんだよね。もう、昔の事でイチイチ悩みたくないんだ」
そう、雄大達に出会って、あたしは変わったんだ。
だから、あたしはもう、過去の事をいつまでも引きずって生きたくないんだ。
「だから、許してあげる。あたし、いじめたこと」
「なっ…」
「だけど、今度、あたしの大切な人に何かしたら、あたし、絶対、あんた許さないから。絶対に、許さないから」
高津洋子の胸元の心臓あたりを指差して言った。
「覚えておいてね」
と、真剣な瞳で、高津洋子の心に届くように。
「もう、いじめなんてしないで。それ以上、自分を傷つけないで」

