「やっぱり。何かあるんじゃないの?じゃなきゃ、あんただって、こんなに長くあたしを…人をいじめたりしないでしょう?」
「なっ…!?何を分かりきったような口調で偉そうに言ってんの!?」
まるで、自分の弱さを隠すように虚勢を張りながら、思いつく言葉を並べて、体を震わせながら大声で叫ぶ高津洋子は
とても、か弱くて、小さくて…自分を必死に守っているように見えた。
「なんで?あんたに、あたしの何が分かんのよ?なにも知らないくせに…分かったようなこと偉そうに言わないでよ!!」
言わないでよ!!と、両手で顔を隠し瞳を潤わせながら悔しそうに唇を噛み締める高津洋子。
この人は、この人で、ずっと何かと戦っていたんだ。
あたしが、高津洋子の中の心の声に気づかなかっただけで
高津洋子は高津洋子なりに、自分と戦っていたんだ…。

