キミの心の声を聞かせて


「それで、あたしを10年も何かと文句言ってきてずっといじめてきたの?」



「まぁね。あんたの泣き顔や悔しそうな顔見るの面白かったからさ」



ホント、楽しませてもらったよと平気な顔で笑う高津洋子。



「あんた…何があったの?」


「はぁ?なにがって、なによ?」


あたしは、人をいじめた事がないから、いじめる人間の気持ちが分かるわけじゃないし、分かりたくないとも思う。


けど、いじめる方には、誰かをいじめる何かがあるはずだから。


人を傷つける事は、それなりの理由や、気力がないと、できないと思う。


誰かをいじめないと、やっていけない大きな理由があるはずだから。

「なんか、あったんじゃないの?なんか…親と問題抱えてたりとか…誰にも言えない事、あるんじゃないの?」



あたしの言葉を聞いた瞬間、高津洋子の表情から余裕がなくなり、変わりに困惑な表情に覆われた。