キミの心の声を聞かせて


もう、一口パクリと口に頬張るとバニラの甘い味が口の中に広がって、プワーとすぐに溶けていく。



ソフトクリームは、この感触がたまらなく好き。



「智樺、こっち。こっちで食べよう」


雄大が、あたしの手を握って人混みから少し離れた場所にある階段を登っていった。



「こっちだと、空いてるから食べやすいよ」



確かに、人混みでソフトクリームは食べにくい。



雄大に引かれるまま階段を登っていくと広い平地に出た。


そこからの眺めは目の前の景色がよく見えて、賑やかな祭りの雰囲気が、ここからでもよく伝わってくるようだった。