キミの心の声を聞かせて

まだ賑やかな活気溢れる祭りの中を


「帰ろうか」


親が心配したらいけないからと、遅くなる前に送るよと言ってくれた雄大の言葉に甘えて、


美紀とヨッシーとシュンに先に帰ると告げて


少し遠慮がちに雄大の隣を歩いた。


美紀も一緒に帰ろうって言ったけど、美紀はシュンが送ってくれるからいいと付いて来なかった。


もしかして美紀は、シュンの事を…なんて、そんな事を考えている、今のあたしは、メイクをスッカリ落として、服も着替えたホントのあたし。



隣を歩く雄大の髪は、あたしと同じカツラだったみたいで


ちょっとクシャクシャになった前髪を野暮ったそうに手グシで解いている。



なんだかその仕草が可愛くてクスッと笑うあたしの顔を



「おっ?そんなに変か?この髪型」


真面目な顔で聞いてきた。


「うぅん。似合ってるよ。なんか可愛いし」



「なんだ?それ。可愛いじゃなくて、カッコいいが嬉しいんだけどな」



「可愛いからいいじゃん」って言ったけど、本当はどうしたらいいか分かんないぐらい、心臓がドキドキしてる。