世の中には、こんな変わった子もいるんだ。
あたしと帰りたいなんて。
「悪いけど、あたし1人で帰るのが好きなんだ」
そう答えた。
だってさ、あんた、あたしと一緒に帰ったらきっと後で後悔するよ。
あたしと仲良くしたら、あんたまで悪口言われるんだからさ。
悪いことは言わないから。
あたしに構わない方がいいよ。
「じゃ、そういう事だから」
それだけ言うと、あたしはワザと仲本美紀から視線を逸らしてサッサと教室を出て行った。
仲本 美紀が、どんな気持ちであたしに言ったのかは分からない。
もしかしたら、あたしと仲良くなりたかったとか?
まさか。そんなことあるはずない。
どうせ、あたしに近づいてあたしから何かを聞き出して。
きっと誰かにチクるんだろう。
人がいい善人顔の仮面を被った偽善者みたいに…。
あの時の、あの子達みたいに…。