放課後。いつものように雄大先輩達と一緒に軽音の練習に向かった。
部室でも、雄大先輩は何も変わらないのに。あたしだけ、美紀の言葉を聞いたせいか、変に意識してる感じがする。
「おい。おい!」
「へっ?」
誰かから肩を叩かれて振り向くと
「お前、やる気あんのか?」
ヨッシーが、ピキピキとこめかみをひきつらせながら、あたしをジーと睨んでた。
季節が梅雨入りしてから、湿気が楽器に影響していることや
部室のエアコンが壊れているせいで暑苦しい部屋での練習で
只でさえストレスを溜め込んでいるヨッシーの機嫌は悉く最悪な状態に近い。
「うわっ!ご、ごめんなさい」
それにいまは、練習中で、しかも、殆どあたし待ち。
「お前なぁ、誰の為の練習だと思ってんだよ。もう少し真面目にやれ!」
ヨッシーのキツイ言葉が飛んできた。