キミの心の声を聞かせて

放課後、雄大先輩は言葉通り迎えにきた。しかも3人で。


当たり前のように注がれる視線にようやく少しは慣れ始め


このちょっとクセのある変わった先輩達と一緒にバンドの練習に打ち込むようになって2週間が過ぎた。

「智樺!また音ズレてる!!」


「ご、ごめん」


ちょっとだけ、音をズラして歌ってしまうあたしに、ヨッシーからの容赦ない怒りの罵声が飛んできた。

「まぁ、まぁヨッシー。智樺はまだ歌い始めて2週間しか過ぎてないから」


あたしを庇うように言ってくれる雄大先輩。

だけど「うるせぇ。もう2週間だ。いい加減ちゃんとまともに唄えよ!」


ヨッシーの厳しさは増すばかりです…。


「智樺!また音ズレてるって!」


怒りの叫びがまた飛んできた。


練習終了後。ヨッシーとシュンが帰った後の部室で、ハァとため息をこぼすあたし。



「智樺ぁ、元気出せよう」


雄大先輩が、脳天気な笑顔で声をかけてきた。

そんな風に言われても…あんなに怒鳴られてばかりじゃ、怖くて唄えないって。

「ヨッシー。怖すぎるよ…あたしだってさ…」


誰かに弱い自分を見せるのは、余り好きじゃないけど。


さすがに、こうも毎日のようにヨッシーから怒鳴られると、強がってばかりもいられなくて。


「あたしだって、頑張ってるんだけどな…」


愚痴ってしまう、弱い自分が大嫌い。